2016年3月7日月曜日

コリアンユースフェスティバル2016に行ってきました!

冬といえば!在日コリアン青年にとっての大イベント、韓青冬期講習会、いわゆる冬のキャンプです。今回はコリアンユースフェスティバル2016として長崎県の軍艦島へフィールドワークにいく!というザ・冒険みたいな企画で3月4〜6日に行ってきました。

軍艦島は世界遺産登録や廃墟ブームで話題になりましたが、その明るい話題の影で1945年以前の炭鉱のために作られた人工島としての側面、すなわち日本の植民地時代の朝鮮人強制連行と言った部分は触れられないという状況です。この部分は私達在日コリアン青年にとって直接関係があるものですから、実際に軍艦島を見ながらルーツを探り、在日コリアンとしての自分を改めて考えよう!というのが今回のコリアンユースフェスティバル2016です。

全体的にレトロフィーチャーなカプセル
東京本部は羽田空港→長崎空港まで飛行機なのですが、確実に朝早く空港に行けるように近くの駅のカプセルに(男性は)前日泊。カプセルホテルにはじめて泊まる人一部がいて、そのシステム棺桶具合にテンションが上がる。
当然のごとく一飲みしてきてるのですでに深夜1時も過ぎており、風呂に入ってもそもそと就寝。

LCCなのでナチュラルに滑走路を歩かされる
仮眠といっていい3時間くらいの睡眠のあと、空港へ移動。まだ外が暗いです。集合後、朝日が昇るのを見ながら羽田空港から飛行機で飛び立ちました。

着いたのでポーズ
バスで市内まで行ったあと、開会式や講演を行う長崎県美術館に移動。路面電車が走りまくる市内の光景は変わった雰囲気で楽しめました。ちなみに美術館の巨大な看板はナナメから見ないと見えないという人に優しくない仕様。

映画泥棒みたいな謎の動き
さて、いよいよ始まるKF2016、まずは開会式からです。オープニング映像は東京本部と大阪本部のダンス、このために出発前日までピョコピョコと踊っていました。結構ノリノリでした。

オレンジのTシャツが目印
韓青のキャンプは、普段知らない韓国の音楽・歌にも触れられる、覚えられるのも魅力の一つです。今回は「경의선 타고(京義線に乗って)」という歌を3日間通して歌いました。開会式は主催者挨拶や、班長・副班長の紹介をして終わりました。

レゴ船シリーズばりにシンプルな面構成のさるく号
昼食後、早速軍艦島周遊ツアーへ向かいます。我らが身を委ねる「さるく号」の待つ乗り場まで移動して乗船していきます。船なんか普段ほとんど乗らないのでワクワクしながら乗ったら、停まってる時点で既にちょい揺れ。これは結構揺れるのでは・・・という不安をよそにいきなり出航していきました。

軍艦島周辺をゆっくりと周遊
船から見える周辺をガイドさんの説明を聞きながら波を切っていくと軍艦島が見えてきました。この辺でスピードが落ち、ゆっくり一周します。なお、船がかなり揺れたのでぐったりした人もいましたが、実際近づいて見ているとテンションが上って写真を撮ったりしていました。

崖のような壁の向こうに、密集した建物群が異様な景観
本当にポツンと、軍艦そっくりな姿でそこにありました。壁の中にミニチュアのようにつめ込まれた建物は時間が止まったように廃墟となっていて、単純にすごいなと思わせるものでした。すごい。

軍艦島についての講演
その後、「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」の方から軍艦島を中心に、植民地時代の朝鮮人強制連行の状況や炭鉱での過酷な労働、監獄島とも呼ばれた閉鎖された空間であったことなどを講演いただきました。先ほどの軍艦島周遊ツアーで、船内の軍艦島を紹介するDVDでは見えてこなかったそこに住んでいた人々、強制連行された朝鮮人の姿が見えてきました。

在日コリアン青年同士で熱く語る
その後、バスで宿舎まで移動し、班別討論を行いました。ここまで結構ハードなスケジュールですが、軍艦島を見て、講演を聞いて、年齢・性別・地域バラバラに組まれた班ごとにディスカッションをしました。在日コリアン青年として様々な主張や議論をしながら、夜を過ごしました。この日は疲れもたまっていたのでそのまま布団へインです。

本当にその選択は自由な選択なのか
2日目は移動が多かったタフな1日目と違い、講演→班別ディスカッションと学校のようなプログラムが続きます。
二日目の講演は韓青委員長が「ともに民族的に生きよう」というテーマで講演をしました。委員長が自分が今までどう生きてきたかを語りながら、在日コリアンの人生の選択がどこまで自由なのか、名前などを例にあげて講演していきました。そして、実は不自由なこの状況を変えるべきであり、変えるためにできることがあるという話をされました。

楽器ワークショップはチャンゴ(両面太鼓)の基本をマスター
ウリマル(韓国語)ワークショップは簡単な会話
それから民族ワークショップです。「民族」と「ワークショップ」というかなり縁遠い単語がくっついた謎な企画ですが、要は普通に日本社会を生きていたら触らないであろう韓半島の楽器、普段使わない、知らないウリマル(韓国語)に触れられる体験教室です。

それぞれ班ごとに前半後半でそれぞれ入れ替えて行いました。楽器のほうは最後皆で簡単な演奏ができるようになっていましたし、ウリマル教室もそれぞれ会話ができるようになっていました。

嶺南サムルノリを演奏
そして夜は韓青のキャンプの目玉、文化マダンです。各地域から用意した民族文化発表と班ごとにディスカッション内容を劇にした寸劇発表がこの場で行われます。
一発目のオープニングは韓青東京が担当し、サムルノリ(民族楽器演奏)を演奏しました。この日まで練習もしていたので本番ではバシっと一発決めることができてよかったと思います。

全身で軍艦島を表現
それから各班ごとにディスカッションした内容を寸劇で表現したり、各地方ごとの発表がありました。それぞれ趣向をこらした表現が楽しい時間です。

別に何かで優勝したわけではない
最後は民族楽器の演奏と歌とともに全員で歌って踊る群舞が入り、ヘトヘトになるまで身体を動かしました。まさに全すなわち一と言わんばかりの民族の一体感が生まれ、最高のコリアングルーヴが会場を包みます。

もう無理というくらいまでやったあと文化マダンは終わりました。その後、それぞれ夜遅くまで・・・というか朝まで思い思いに在日同胞同士語りつくしました。

輪になって歌う
そして最終日、3日目は朝から閉会式があり、参加者の感想をもらいながら歌を歌って閉会しました。東京本部はそのままJALで羽田空港まで直帰、解散しました。

今回は軍艦島へ行くという大きいメインイベントがありましたが、やはり普通にツアーでいくのと違って、在日コリアン青年同士で見て、聞いて、感じたことを話しあうことができたというのがコリアンユースフェスティバルならではで良かったと思います。

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